7月6日 北國新聞朝刊より 「『動くアート』本格実施は?ラッピングバス 試験走行、9月で終了 金沢市アンケートへ」

金沢市内で運行中の「ラッピングバス」の試験走行期間が9月で終了する。4年前にスタートして以来、現在は13台が走り、各法人のカラフルな広告で車体を飾ったバスが城下町を彩ってきた。全国の中核都市で移動広告物であるラッピングバスを認めていないのは金沢市のみ。本格実施に踏み切るかどうか、市は市民アンケートを実施した上で、最終判断する。
金沢市は条例で移動広告物を制限しており、ラッピングバスの運行は社会実験として、2008(平成20)年10月に始まった。北陸鉄道路線バスの車体が使われ、広告デザインや色合いは事前に必ず、市屋外広告物審査会のチェックを受けることになっている。城下町の景観に配慮した金沢独自の基準だ。
JR金沢駅東口のバスターミナルからは、赤や薄緑、ピンク、青など色とりどりの広告で覆われたバスが各方面へと出発する。黄色を基調に金沢市出身の女優田中美里さんの写真を掲載した北國新聞社や、学校法人金沢学院北國銀行など地元法人、県外から宝塚大も広告主となり、企業イメージをPRしている。
ラッピングバスは2年前から、それまで制限されていた兼六園周辺の走行が可能となり、上限台数も15台に拡大、バスの地色は彩度4以下とする制限が撤廃され、より鮮やかな多くのバスがまちなかを走るようになった。
「動くアート」ともいえるバスは、3年前に金沢市が行ったアンケートで、市民の8割が好意的な意見を寄せ、おおむね好評だ。市では「町のにぎわい創出一役買っている」(景観政策課)とみており、北陸鉄道は「路線バスの利用客が減る中、バスそのものに興味を持ってもらえる機会」と本格実施に期待を寄せている。
市では7月中に再びアンケート調査を実施。市屋外広告物審議会の議論を受け、本格導入か終了かについて最終決断する。

(左から時計回りに)北國新聞社金沢学院北陸コカ・コーラボトリング、浅ノ川総合病院、金沢星稜大、金沢ハウジングセンター、北陸放送、もりもり寿し、済生会金沢病院、金城大、宝塚大、北國銀行、北陸大のラッピングバス

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