テレビCMが「AC」だらけに

東北地方太平洋沖地震発生を受け、14日頃よりACジャパンのCMが急増している。
この事態に、ネット上では「なぜACのCMばかりが流れているのか?」という声が多数あがっている。そこで、「モデルプレス」編集部はACジャパンに電話取材を行い、その真相に迫った。
まずは、ACジャパンがどのような組織なのかをきちんと理解しておこう。
ACジャパンとは、広告を営利目的のためでなく、公共のために役立てようと、全国の企業から寄せられた会費で公共広告活動を行なう民間のボランティア団体である。
広告を通じて住みよい社会作りに貢献することを目的に活動を行っており、今年で創立40周年目を迎える。
ACは、マナーや社会に役立つCMなどを年間で約20本制作。そのCMはテレビ広告枠の空いている部分で放送する仕組みになっている。
ACジャパンのCMが急増している理由に迫るべく、ACジャパンへ電話インタビューを行った。担当者によると、「地震が発生したことで、クライアント様の約70%以上がCMを自粛しているとテレビ局の方から聞いています。また、テレビ局側も空いている広告枠を埋めるために、営利目的ではないACのCMを流さざるを得ないのが現状のようです。」

「現在、全国の視聴者からCMへの問い合わせが殺到しています。」
「オンエア中のCMは、昨年7月以前にテレビ局側にお渡しているものです。私たち団体も今の震災の現状を考えると、オンエアするべきでないものが含まれていると考えています。」
「テレビ局にはすでに放送を自粛するようお願いしております」との回答が得られた。
さらに、「地震対策や被災者支援、励ましのメッセージなどのCMに一刻も早く切り替えられるよう、現在新CMの制作を開始しています。」とのコメントもあった。

ついに謝罪文掲載
ACジャパンオフィシャルサイトでは、ついに3月16日に謝罪文が掲載された。

以下、オフィシャルサイトより

― 「東北地方太平洋沖地震」にあたってACジャパンのCM放送についてのお詫びとお知らせ

(社)ACジャパン

この度、東北地方太平洋沖地震で被災された皆様、ご関係者の皆様には謹んでお見舞い申し上げます。
現在、民放テレビ・ラジオ各局において、震災の報道の合間にACジャパンのCMが多数放送されております。
これらのCMは、ACジャパンの会員社である放送各局でACジャパンが制作した公共広告を放送していただくためにご提供し、放送局のご判断で必要と思われた場合にお使いいただく広告素材です。
未曾有の大惨事となったこの度のことを受けて、多くの企業がCMの放送を自粛され、ACジャパンのCMが放送されることになりました。これらのCMはかならずしも非常時に対応できるようには作られておりません。
そのため、視聴者の皆様に大変ご不快な思いをおかけしましたことを、心より深くお詫び申し上げます。現在、ACジャパンでは、「東北地方太平洋沖地震」で被災された方々を応援する臨時キャンペーンCMを企画・制作中でございます。
被災地の方々におかれましては、一日も早い復旧がなされますことをお祈りいたしますとともに、ACジャパンでは広告活動を通じて支援活動を続けていく所存でございます。
皆様には、何卒ご理解をいただきたくお願い申し上げます。


AC JAPANはもともと公共広告機構という名称だった。この名前からわかるとおり、営利を目的としたCMを流す団体ではない。苦情を言うならCMを提供しない会社に言うべきだと思われる。

ちなみにAC JAPANの2010年度の支援団体は日本脳卒中協会国境なき医師団日本、3R推進団体連絡会、日本心臓財団、日本アイバンク協会、文字・活字文化推進機構日本対がん協会、国連UNHCR協会、あしなが育英会である。


怒涛の"AC"CMでついに謝罪文 - ライブドアニュース
「AC」CMに苦情殺到も…広告枠買い取っていなかった!? - 芸能 - ZAKZAK
公益社団法人ACジャパン
ACジャパン - Wikipedia

別記事。
AC大量CMに苦情殺到…脅迫電話も
公共広告により啓発活動を行っている社団法人のACジャパン(旧公共広告機構)に抗議の電話が殺到していることが17日、分かった。東日本大震災の影響によって、民放テレビ各局が民間企業CMの代わりに、同法人のCMを大量放送しており「しつこい」「不快感がある」「内容がそぐわない」というクレームが集中していた。同法人の提言CMはテレビ、ラジオ、新聞社など加盟社の会費で制作。とばっちりを受けた形だけに、同法人も困惑を隠せなかった。
民間企業が震災の影響でCMを自粛する中、大量に放送されているACジャパンのCM。穴埋め的な役割を果たしているにもかかわらず、とんだとばっちりを受けている。
抗議の理由としては、同じ内容のCMが流れることに対する「しつこい」、同法人CMの最後に流れる「エーシー」という高いメロディーが「不快さを感じる」、さらには子宮がんや脳卒中予防の内容に対し「こんな大変な時にがん検診なんか行けるか」といった、言いがかりとしか思えないような内容が含まれているという。
また、同法人が国の管理下にないにもかかわらず「そんなCMを流すのに税金を使うなら、少しでも被災地に回せ」という勘違いの抗議や、中には「今から刃物を持って押しかけるぞ」という脅迫電話もかかってくるという。視聴者が勘違いしている場合は、正しい実態を説明しているが、同法人関係者は「分かってくれる人は、わずかなんです」と困惑の色を隠せなかった。
ACジャパンは、マナーやモラル向上などといった社会啓発的なCMを年間13本制作している。その制作費は約1200社の加盟社から得られる年会費で賄っており、今回大量にCMを放送しても、テレビ局との間で金銭的なやりとりは一切発生していない。
同法人では、抗議を受け16日付でHPに謝罪文を掲載。さらに、民放各局に、CM最後の音声部分を削除するよう、異例の要請を行った。要請を受けた各局が急きょ音声を消す作業に入り、この日から末尾のメロディーなしバージョンのCMも放送されている。
また、災害用のCM6本の制作も決定。通常は月単位での制作期間を2、3日に短縮、来週にも新バージョンのCMを放送する。関係者は「今回の件で、悪いイメージだけひとり歩きしてしまうのが怖い。われわれの本当の姿を知ってほしい」と訴えていた。

http://www.daily.co.jp/gossip/article/2011/03/18/0003875908.shtml