アニメの舞台 ファン聖地に 登場の駅名、のと鉄道が看板 南砺の会社制作「花咲くいろは」

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 能登半島を縦断する第三セクターのと鉄道」の西岸(にし・ぎし)駅(石川県七尾市)構内の看板が、今春から放映中のアニメ「花咲くいろは」に出てくる「湯乃鷺(ゆ・の・さぎ)駅」と付け替えられた。映画の舞台になった同駅をファンの新たな「聖地」にしようと期待がかかる。

 「花咲くいろは」は南砺市城端にある制作会社「ピーエーワークス」が初のオリジナル作品として作った。東京から来た少女が、祖母の経営する石川県の温泉旅館で働く物語。作中で主人公の少女が最初に降り立つ駅として、その後は旅館から学校に通うための駅として、湯乃鷺駅が登場する。

 西岸駅がモデルになっており、客の減少に悩むのと鉄道側が「アニメファンの聖地に」として協力した。1932(昭和7)年にできたという西岸駅の上りホームには駅名看板が1枚しかないが、それを「ゆのさぎ」にかけ替えた。正式名称の「西岸」の看板は今後新たに設置するという。

 4月29日のお披露目式には、300人を超えるアニメファンと鉄道ファンらが詰めかけた。のと鉄道の常務で鉄道部長の蜂須賀和行さん(63)によると、ふだんの西岸駅の利用者は1日20人ほど。看板掛け替え後の連休中(4月30〜5月8日)は、利用者が1日平均で150人以上に上った。

 震災の影響による観光客の減少で、のと鉄道も利用客が減っていたが、「昨年の連休並みの利用があり、マイナスにはなりませんでした。ありがたいこっちゃ」と蜂須賀さん。

 ピーエーワークスが08年に手がけた城端の街をモデルにした作品「true tears」では、城端駅などがファンの「聖地」になり、今も活性化に一役買っている。近年は埼玉県の鷲宮町滋賀県豊郷町などがアニメの影響でファンの聖地になり、作中に出てくる施設も新たな観光名所になって、地元に大きな経済効果をもたらしている。

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