「花咲くいろは」本日の北陸中日新聞より「鉄道PR 好発進」

鉄道PR 好発進
富山県 情報誌が在庫切れ
のと鉄道 アニメファン殺到

2014年度の北陸新幹線開業を見据え、映画やアニメに便乗した鉄道利用客の掘り起こしが活発だ。富山県富山地鉄富山市)を題材にした映画の公開にあわせた観光振興策などを検討。新幹線開業でJRから経営分離される並行在来線の利用者増を軌道に乗せたい考えだ。のと鉄道(石川県穴水町)はアニメとのタイアップが成果を上げている。

並行在来線 利用増を期待

富山県は7月、無料の情報誌「ロカルちゃ」の駅・鉄道編を3万部発行。県内鉄道の基本情報に加え、万葉線「ネコ電車」の雌雄の見分け方といった愛好家の心をくすぐる。
鉄道ファンが集まる鉄道博物館さいたま市)や同県内の道の駅などに置くと、今月上旬に在庫がなくなった。第二弾も検討中だ。
富山地鉄を題材にした映画「RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ」(蔵方政俊監督)が富山県内で11月に先行公開されるのに合わせ、県は同鉄道で観光案内するアテンダント二人を配置する。映画をイメージしたデザイン車両も走らせる。
富山県はJR、私鉄計12路線と、富山市内に路面電車が走る地方では有数の「鉄道県」。法律で鉄道扱いの立山黒部アルペンルートのケーブルカーやロープウエーもある。
同県観光・地域振興局の小城慎治次長は「小さな県に線路がひしめき、地方の中では鉄道普及は上位に入る」と胸を張る。
しかし、富山県内のJRの乗車人員は現象が続く。並行在来線となる北陸線普通列車の利用者は06年度に1日平均8600人だったが新幹線開業時の14年度に同7000人、開業10年目の23年度には同5800人にまで減ると見込まれる。
小城次長は「鉄道の魅力を発掘し、並行在来線に親しむきっかけになれば」と期待を寄せる。
北陸新幹線開業に向け、金沢から利用客を呼び寄せるための生き残り策。最初は半信半疑だったが予想以上の反響」と驚くのは、のと鉄道の蜂須賀和行鉄道部長。
石川県内の温泉旅館を舞台としたアニメ「花咲くいろは」で、主人公の使う駅のモデルとなった西岸駅(同県七尾市)に4月下旬、アニメ中の駅名を再現した「ゆのさぎ(湯乃鷺)」の看板を設置。普段は1日平均20人が利用する同駅での除幕式に、ファン350人が殺到した。
7月下旬から、アニメに登場するキャラクターが駅名を紹介する車内アナウンスもスタート。今も1日平均20〜30人の利用者増が続く。穴水駅限定のアニメのクリアファイルは早くも3000部が売れ、品切れ間近だ。
蜂須賀鉄道部長は「高齢者しか利用しなかった路線に多くの若者が足を運んでくれる」と喜ぶ。


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