湯涌再生 住民の手で アニメ「花咲くいろは」効果最大限に

湯涌地区で、住民自らが地域再生計画を策定する取り組みが始まる。町会や婦人会、育友会、温泉街関係者らがプロジェクトを発足させ、農業や観光、定住促進など、さまざまな課題の解決を目指す振興プランをまとめる。行政に頼るだけでなく、住民の力で地域の魅力を高め、「ふるさと愛」醸成につなげる考えだ。
豊かな自然に囲まれた湯涌地区には「金沢の奥座敷」として親しまれる温泉街があり、最近は同温泉をモデルとしたアニメ「花咲くいろは」の放送で全国から観光客が訪れるようになった。
一方で少子高齢化が進み、今年度の湯涌小の新入生は3人だけ。耕作放棄地や空き家も増えている。地元特産物の販路確保や、点在する市有施設の活性化、温泉街と地元住民の連携など課題も山積しており、団体の枠や年齢の違いを超えて住民同士が手を携えることになった。
地域再生を目指す住民プロジェクトの名称はアニメにちなみ、「花咲く湯涌・まちづくりネットワーク推進プロジェクト」とした。町会連合会、公民館、社会福祉協議会、消防分団、青年団観光協会などの関係者約40人で構成する。市有施設や市の関係部局担当者も加わる。
10日に発会式を行い、今年度は地域資源の掘り起こしや課題整理に取り組み、再生計画を策定する。来年度から計画に基づき、行政と協働で具体的な事業を展開する。コーディネーター役は、協働をすすめる市民会議アドバイザー青海康男氏が務める。
市は湯涌地区の取り組みをモデルに、他地域にも住民主導の地域活性化プロジェクトを広げていきたいとしている。湯涌校下町会連合会の山本正直会長は「住民が知恵を出し合って振興策を考え、ふるさとを次の世代へ残したい」と話した。


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