ボンネット型、最後の走行 金沢から白山へ 北國新聞

急行「能登」や特急「白山」など約40年にわたり北陸線で活躍したボンネット型の489系車両が15日、廃車にするため金沢市総合車両所から白山市の金沢総合車両所へ移動した。年度内に解体されるため、走る雄姿は見納め。ボンネット型として全国で唯一 残っていた編成は行き先の入っていないヘッドマークを掲げ、静かに走り去った。
交通科学博物館大阪市)によると、489系は1971年から74年にかけ、計14編成が製造された。北陸と東京方面を結ぶ信越線の横川―軽井沢は、国内屈指の急勾配で 、電気機関車と連結して運転ができるよう、485系を改良した点が最大の特徴という。
当初は金沢―上野の特急「白山」や現在も活躍する特急「はくたか」で運用され、2011年に廃止となった特急「雷鳥」でも使用された。その後、新型車両の増加によって編成が徐々に減り、JR西日本金沢支社に残っていた3編成が金沢―上野の急行「能登」と して活躍した。
独特の形とクリーム色に赤のラインが入った懐かしの「国鉄色」で鉄道ファンの人気を集めたが、10年3月の能登の定期運行の廃止で、第一線から引退した。
金沢支社によると、3編成のうち2編成は10年の6、8月にそれぞれ廃車となった。全国で唯一残っていた編成は金沢市総合車両所で保管されていたが、年度内の解体が決まり、移動することになった。
最後の489系は15日午前9時すぎ、金沢市の車両所を出発し、金沢駅にも停車した。雨の中、約10キロの「ラストラン」を終えて午前9時29分、白山市の金沢総合車両所に到着した。沿道で偶然、撮影できたNPO法人ヘリテージ・オブ・レイル北陸理事長 の岩谷淳平さん(36)=小松市=は「久々の雄姿に感激したが、これで見納めと思うと残念でたまらない。ありがとうと伝えたい」と話した。

ボンネット型、最後の走行 金沢から白山へ 北國新聞 撮れたてニュース

http://rail.hobidas.com/rmn/archives/2012/05/jr489h01_16.html