ICカードリーダーが品薄、B-CAS騒動で

今月中旬に明るみに出た、B-CAS不正改ざん騒動の影響で、秋葉原ではICカードリーダーがかなりの品薄状態になっている。
秋葉原全体で見ると、「製品を選ばなければ、ショップを回ってなんとか購入できる」といった状態だが、「入荷してもすぐ完売してしまう」「普段の10倍、ではきかない量が売れている」(ショップ)という声が多数出ている状況だ。


●約1週間前から売り切れが増える
秋葉原ICカードリーダーを巡る動きが顕著となったのは1週間ほど前。NTTコミュニケーションズの「SCR3310-NTTCom」を中心に売り切れが出始め、日を追うごとに他社製品も売り切れ、あるいは品薄になりつつある。
特に、SCR3310-NTTComについては秋葉原に限らず人気が集中しているよう。騒動前の秋葉原での相場は2千円前後だったが、一部のオークションサイトでは落札価格が1万円以上にまで暴騰、ショップの仕入れ値も値上がりしているという。
他社のカードリーダーでも「予告をしたところ、開店と同時に沢山の人が買いに来た」「新品が無くなったので、中古も扱うようにした」、さらには「入荷作業中に盗まれそうになった」という例まで出ている。
今後の見通しは、ショップによって様々。「人気製品の入荷は当面なさそう」という点ではほぼ一致しているが、「これまで流通していなかった海外製品などは普通に入荷する可能性がある」とするショップもある。また、前述のSCR3310-NTTComについても、26日(土)時点で再入荷を告知するショップが一部に見られた。

B-CAS不正改ざんが発端
事業者は「不正視聴には損害賠償も検討」
住民基本台帳カードの読み取りなど、様々な用途で使われるICカードリーダーだが、今回の騒動の発端は、デジタル放送用B-CASカードの改ざん方法がインターネットに掲載されたこと。
B-CASカードについては、以前から「地上/BS/110度CSデジタルの全チャンネルが無料視聴できる」などとうたわれた不正な改ざん品が出回っていることが問題視されていたが、最近では個人によってカードの内部情報が解析、ネット上の掲示板サイトにカードの改ざん方法が投稿されるという事態になっている。
5月中旬以降、こうした話題がブログやPC関連ニュースサイトでも取り上げられるようになり、これらの情報でICカードリーダーを購入する人が多いよう。「この製品はB-CASカードが読めるのか」など、あからさまな質問をするカジュアルユーザー的な人もいたという。
なお、こうした改ざんは「使用許諾契約に違反し、損害賠償請求の対象になる」「あらゆる法的措置を講じて厳正に対処する」(ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ)などと強く警告されている。
有料放送を不正に無料視聴する行為は、有料放送事業の根幹を揺るがすことになるため、事業者であるスカパーやWOWOWでは「不正視聴行為には、損害賠償請求を含めた法的措置を検討している」と同じく強いトーンで警告している。

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