国内ISPにおける「IPv6-IPv4フォールバック」対策状況一覧、JAIPAが公開

社団法人日本インターネットプロバイダー協会(JAIPA)は同社ウェブサイトにおいて、国内のISPにおける「World IPv6 Launch」への対策状況・予定をまとめたページを公開した。6月6日現在、19サービスを掲載しており、対策の概要と各社の説明ページへのリンクが一覧化されている。
World IPv6 Launchは、IPv6の本格的な普及を目的として、日本時間の6月6日午前9時に世界規模で始まった取り組み。これに参加表明しているGoogleFacebookなどをはじめとする世界のウェブサイトでは、従来のIPv4に加えて、標準でIPv6でも利用できるようにした。
一方で、こうしたIPv4/IPv6デュアルスタック対応サイトに接続しようとした際に、NTT東西の「フレッツ 光」の環境では「IPv6-IPv4フォールバック」という現象によりページ表示が遅延するなどの問題が発生することがわかっている。World IPv6 Launchにより、今後、IPv4/IPv6デュアルスタック対応サイトが増加していくことが見込まれるため、NTT東西とISP各社が共同でIPv6-IPv4フォールバック対策に取り組んでいる。
JAIPAが6月1日に開設した「World IPv6 Launchについてのご案内」というページでは、IPv6-IPv4フォールバックに関する情報提供や問い合わせ対応を各ISPが行っているかどうかや、IPv6-IPv4フォールバックの回避策の1つである「AAAAフィルター」の導入の有無、各社の案内ページへのリンクなどをまとめている。
AAAAフィルターとは、フレッツ加入者向けに各ISPが設置しているキャッシュDNSサーバーにおいて、IPv6アドレスの情報(AAAAレコード)を遮断してしまう方法だ。フレッツ 光におけるIPv6-IPv4フォールバックは、IPv4/IPv6デュアルスタック対応サイトにしようとしたユーザーの端末が、最初はIPv6アドレス(フレッツ網内用に割り当てられているもので、インターネットには到達できない)で接続を試み、それに失敗してからIPv4で接続し直すという、OSの標準的な実装に起因する。AAAAフィルターでは、DNSの応答からAAAAレコードを取り除くことで、無駄なIPv6による接続試行の発生をあらかじめ防ぐわけだ。
ただし、正常なIPv6接続ユーザーに対して適用されると接続できなくなってしまうため、IPv6接続ユーザー専用のAAAAフィルターを導入しないキャッシュDNSサーバーを立てるISPもある。JAIPAの案内ページでは、こうした回避策の仕組みの説明のほか、IPv6-IPv4フォールバックの発生する環境やユーザー側で行える回避策についても紹介している。
一覧に掲載されている19サービスのうち、6月6日現在、AAAAフィルターを導入もしくは導入予定であることを明記しているのは、bit-drive、@niftyEMOBILE(2013年4月以降)、EMOBILE 光、AOL(2013年4月以降)、Yahoo! BB。なお、bit-driveとYahoo! BBについては、AAAAフィルターをかけないIPv6ユーザー用のキャッシュDNSサーバーを立てるとしている。
このほか、AAAAフィルターとは明記していないが、au one netASAHIネット、OCN、InfoSphere、So-netぷらら、@T COM/TNCが遅延対策を実施するとしている。
一方、SYNAPSEは、AAAAフィルターは適用せず、ユーザー向けの情報提供のみ。また、BIGLOBEDTI、SANNET、ODN、SpinNetでは、ユーザー向けにウェブでの情報提供や問い合わせ対応を実施するとしている。
このほかのISPのユーザーにおいても、自身が契約しているISPのWorld IPv6 Launch対策状況をウェブサイトなどで確認しておくのがいいだろう。

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