北國新聞朝刊より「湯涌ぼんぼり祭り 聖地巡礼7千人熱狂 『花いろ』ファン集結」

金沢市湯涌温泉がモデルのアニメ「花咲くいろは」に登場した祭りを再現する「湯涌ぼんぼり祭り」は6日、同温泉街で行われ、第1回の昨年を2千人上回る約7千人(主催者発表)のファンや地元住民が押し寄せた。550個のぼんぼりが辺りを照らす中、金沢の奥座敷は作品の舞台を訪れて楽しむ「聖地巡礼」の人波であふれかえり、アニメ効果の大きさを示した。
午後8時に祭りのメーン行事となる「ぼんぼり巡行(じゅんこう)」が出発。ファンらの願い事が記された「のぞみ札」入りのかごを白装束姿の地元住民が担ぎ、玉泉湖畔の特設ステージまで練り歩くと、沿道を埋めた観衆が盛んにフラッシュをたいて写真撮影した。到着後、祝詞が奏上され、のぞみ札が焚(た)き上げられた。
アニメの登場人物にちなみ、セーラー服姿で参加した飲食店従業員(27)=能美市=は「これまで訪れたアニメの聖地では知り合いがたくさんできた。石川の聖地にも多くの人が訪れ、交流の場になってほしい」と期待を込めた。
京都市から友人とともに車で訪れた会社員(43)は「地元の祭りとして定着し、末永く続いてほしい」と話した。ぼんぼり祭りを主催する湯涌温泉観光協会の安藤精孝会長は「1、2回目とも成功だった。通年での誘客に結び付ける努力をしていきたい」と力を込めた。
湯涌温泉の9旅館は全て満室となり、同アニメに登場する旅館のモデルとされる「秀峰閣(しゅうほうかく)」では、特別開放した80畳の大宴会場にも12人が宿泊。「かなや」では30畳の小宴会場に15人が宿泊し、夜遅くまでアニメ談議で盛り上がった。
日中は湯涌小で、同アニメのオープニング曲を歌う「ナノライプ(nano.RIPE)」のライブや出演声優のトークイベントも行われた。金沢湯涌みどりの里に設けられたグッズ売り場には前日の午後10時から並ぶ「徹夜組」もおり、温泉街は午前中からファンらでごった返した。
ぼんぼり巡行の様子は本社が動画共有サービス「ユーストリームUstream)」で配信し、延べ1万3682回を超える視聴があった。

県内で先行上映 プロデューサー発表 来春公開の劇場版
ぼんぼり巡行の途中、湯涌稲荷神社前で行われた式典ではプロデューサーの永谷敬之さんが、銅アニメ劇場版が来年3月下旬の全国公開に先立ち、同9日から石川県で上映されることを発表。ファンから大きな拍手と歓声が上がり、熱気は最高潮に達した。
先行上映が行われるのはユナイテッド・シネマ金沢、ワーナーマイカル・シネマズ御経塚、イオンシネマ金沢フォーラスシネマサンシャインかほく。フリーター(27)=横浜市=は「石川の先行上映には必ず来る」と話した。
永谷さんは、来年春にのと鉄道の「花咲くいろはラッピング列車」に新型車両が導入されることも発表。式典では安藤会長と山野之義金沢市長があいさつした。


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