朝日新聞より「アニメの祭り、忠実再現 花咲くいろはの舞台、金沢で」

普段はもの静かな金沢の奥座敷が今年も様変わりした。アニメ「花咲くいろは」の舞台となった湯涌(ゆわく)温泉(金沢市)で6日夜、「湯涌ぼんぼり祭り」があった。全国から約7千人(主催者発表)のファンが“聖地”に詰めかけ、山あいの温泉街はカメラを抱えた若者らの熱気が渦巻いた。
湯涌ぼんぼり祭りは、作品に出てくる架空の「ぼんぼり祭り」をモデルに昨年初めて開かれ、インターネットなどで開催を知った約5千人が集まった。2年目の今年はそれをさらに上回る人出に。観光協会の二又勉事務局長(60)も「今年もこんなに来るとは……」と驚く。
夜8時。温泉の香りがほのかに漂う会場で、ぼんぼり巡行が始まった。着物姿の女の子や法被を着た関係者らが、願い事を記した「のぞみ札」入りのかごを担いで玉泉湖畔に向かって進む。沿道のファンたちは礼儀正しく並んで行列に熱い視線を送り、夢中になってシャッターを切っていた。到着後、のぞみ札はたきあげられた。
埼玉県志木市から来た大学4年(22)は「作品に忠実に丁寧に祭りが作られている。この取り組みを卒業論文で紹介したい」。富山県高岡市の会社員(25)は「アニメさながらの雰囲気。主人公の気分になって幸せ」とうっとり。
この日、温泉街にある九つの旅館はすべて満室となった。いくつかの旅館では大広間や宴会場も宿泊用の大部屋として開放した。このうち「かなや」では30畳の宴会場に15人が宿泊し、客達は互いに初対面でも作品の話で意気投合した様子。福井市(21)は「同じ作品の愛好者同士、ふれあえてよかった」と満足そうに話した。

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