北國新聞朝刊より「JA金沢市が酒生産 湯涌で酒米づくり」

JA金沢市は新年度、日本酒を製造する。来年、合併40周年を迎える同JAの記念事 業として、同市湯涌地区で、石川県が独自に開発した酒米「石川門」を生産する。仕込みは県内の酒造店に委託し、一升瓶で限定600本を造る。同JAは「湯涌の酒」として、湯涌温泉観光協会などと協力し、地元の活性化にもつなげる。
県によると、県内のJAが酒米づくりから酒造まで一貫して手掛けるのは珍しいという。
酒造りはJA金沢市青壮年部の本部と湯涌、東浅川両支部が行う。同市芝原町の耕作放棄地の水田約30アールで酒米「石川門」を栽培し、約1.2トンの収穫を見込む。同JAが酒米を生産するのは初めて。
JA金沢市は、製造した酒を湯涌温泉観光協会などに寄贈する計画である。お披露目に は、アニメ「花咲くいろは」に登場した祭りを再現した「湯涌ぼんぼり祭り」といった湯涌地区でのイベントを活用することも検討し、「湯涌の酒」として広くPRする。
同JAによると、酒造りは記念事業として行うため、2年目以降は未定だが、地元湯涌が主体となっての継続を視野に今後、方策を探っていく。
県生産流通課によると、酒米「石川門」は県農林総合研究センターが開発した。2008年に流通が始まり、10年に品種登録された。白山市金沢市の医王山周辺、能登町などで年間100トンほど生産されている。
JA金沢市青壮年部は「湯涌は高齢化や農業離れなどの課題を抱えている。酒米づくり や酒造りを通して、JAの40周年とともに湯涌を盛り上げたい」としている。
同JAは1974(昭和49)年、市内の27農協が合併して発足した。
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