本日の北日本新聞朝刊1面より「アニメ聖地 世界へPR 観光庁など行動計画 『おおかみこどもの雨と雪」上市『トゥルー・ティアーズ』城端」

観光庁経済産業省日本貿易振興機構ジェトロ)などは20日、訪日外国人観光客を呼び込むため、人気アニメの舞台とされファンが集まる「聖地」と呼ばれる各地のスポットを外国人にPRすることを盛り込んだ共同行動計画を発表した。日本のアニメは外国人にも人気が高く、需要があると見込んだ。県内では、アニメ映画「おおかみこどもの雨と雪」の上市町、テレビアニメ「true tears(トゥルー・ティアーズ)」の南砺市城端などが知られている。
建物や街並みがモデルとなったとされる場所を訪れることは、ファンの間で「聖地巡礼」と呼ばれ、旅行の一つのスタイルになっている。上市町南砺市城端のほか、「らき☆すた」の埼玉県鷲宮町(現久喜市)。「けいおん!」の滋賀県豊郷町などが有名だ。
具体的には、経産省が支援する日本のコンテンツ産業の見本市「コ・フェスタ」などに観光庁や政府観光局が参加し、アニメやドラマの紹介に合わせて聖地の観光情報を提供、旅行を紹介する。各国のメディアを誘致し、聖地巡礼の楽しさもアピールする。
計画ではこのほか関係機関が必要に応じて会合を開き、それぞれが実施するイベントの日程を共有して観光客誘致に役立てるとしている。
上市町出身の細田守監督の「おおかみこどもの雨と雪」は、上市などを舞台に、里山に引っ越してきた主人公と2人の子どもが、周りの人たちとの触れ合いを通して成長していく姿を描いた。昨年7月の公開以来、主人公が住む家のモデルとなった同町浅生(あそ)の古民家には、韓国、台湾、南米など海外や全国各地から約8500人のファンが訪れた。
古民家を所有する山崎正美さん(71)は「外国人観光客が増えれば、行政と相談し、受け入れ体制を整えたい」と話す。
「トゥルー・ティアーズ」は高校生の青春模様を描いた作品で、城端アニメ製作会社ピーエーワークスが手掛けた。2008年にテレビ放送された後、若者を中心に多くのファンが足を運んでいる。
政府は、13年の訪日外国人旅行者を12年の836万人から。1千万人まで増やす目標を掲げている。さらに、安倍政権がまとめた日本再興戦略(成長戦略)では、30年に3千万人超を目指すとしている。