「テラヘルツ波」を使った高速無線通信成功、スマートフォンなどに利用期待

大阪大学半導体メーカー「ローム」(本社・京都市右京区)の研究チームは21日、光と電波の中間領域にある「テラヘルツ波」を用いた小型の無線通信装置を開発し、従来の無線通信の10倍以上の速さでデータを送受信することに成功したと発表した。
テラヘルツ波では従来の無線LANなどを超える高速無線通信が可能とされてきたが、部品の小型化や消費電力の問題から実用化は困難とみられていた。チームの永妻忠夫・阪大教授は「将来的には、スマートフォンなどの携帯端末に利用することで、長時間のハイビジョン映像が瞬時に端末に取り込めるようになることなどが期待される」としている。
研究チームは、送受信のどちらの役割も担える「共鳴トンネルダイオード」という半導体を使うことで、従来の約20センチ四方の無線装置の大きさを、縦1センチ、横2センチまで小型化。消費電力も数百分の1まで抑えた。完成した装置を数センチ離し無線通信したところ、従来の装置の約10倍以上の速度でデータの送受信ができた。
チームはさらに実験を重ねて耐久性や信頼性を向上させ、3〜4年後には実用化を目指したいとしている。

http://sankei.jp.msn.com/west/west_economy/news/111122/wec11112207030000-n1.htm