本日の北國新聞朝刊より「臭い軽減ぬか漬け湯涌名物に 医王石で脱臭、熟成促進」

臭いの少ないぬか漬けを湯涌温泉の新名物にしようと、市内の経営者や地元農家が取り 組んでいる。脱臭効果のある「医王石」を混ぜ込んだぬか床で野菜を漬けることで、独特の臭いが軽減するもので、農家らは「地元産の石と野菜のコラボで、湯涌ならではの特産品にしたい。高齢者の雇用にもつなげたい」としている。
医王石は、医王山(いおうぜん)周辺で採取される安山岩。浄水や防腐、吸着の作用があることで知られている。水溶性が高く、ミネラルウオーターの精製に使われるほか、遠赤外線を放出する性質を生かし、岩盤浴マットなど多方面に活用されている。
臭いの少ないぬか漬けは「湯涌で作った野菜を、ぬか漬けにしたい」という湯涌の生産 農家の声を聞き、医王石の研究をしている粟崎町4丁目の会社経営、浦田直子さんが提案。浦田さんと、湯涌町の農家でつくる「ファームみどりの里」が昨年11月から 、砕いて粉末にした医王石と水をぬかに加え、配合割合を変えながら、約1200回の実 験を繰り返した。
浦田さんによると、脱臭だけでなく、遠赤外線の作用で野菜の熟成が促進され、漬けて から完成までの期間が短縮される効果もあるという。
漬物は新年度以降に湯涌町で順次売り出す予定で、現在は漬け込み作業を行う高齢者を 募集中だ。浦田さんは「金沢でしか取れない医王石を使い、湯涌の人が作った漬物で、地産地消地域活性化の一助となってほしい」と話した。