本日の北國新聞朝刊より「初代『花いろ列車』に別れ ラッピング1両、声優も見送る のと鉄道西岸駅 退任式、ファン700人

金沢市湯涌温泉を舞台とするアニメ「花咲くいろは」のキャラクターを描いた初代ラッピング列車の退任式が12日、七尾市のと鉄道西岸駅で行われたアニメに登場した祭りを再現する「湯涌ぼんぼり祭り」が11日、同温泉街で行われたこともあり、約700人(主催者発表)のファンが駅を埋め、13日に運行を終える車両との別れを惜しんだ。
普段は人影がまばらな駅に、人が溢れた。2012年から2年半にわたって運行した初代ラッピング列車の退任に駆け付けたファンは駅のホームに入りきらず、のと鉄道社員やアニメ関係者は「想像以上の人出」と驚いた。
退任式には、主人公松前緒花の声優、伊藤かな恵さん、鶴来民子役の小見川千明さんが登場。。西岸駅は主人公が通学で使う「湯乃鷺駅」のモデルとして描かれており、2人は「アニメの世界に入ったよう。車両を愛してくれて、ありがとうございます」とあいさつした。
のと鉄道は退任式のために特別ダイヤを組み、初代の車両を約30分間、駅に停車させた。車両の記念撮影会が行われた後、ファンは「出発進行」と掛け声をそろえ、列車を見送った。
のと鉄道は現在、初代のほかに「花咲くいろは」のラッピング列車を2両運行している。

愛好家向け散策マップ アニメ部隊周辺 金沢学院大生が制作へ
金沢学院大経営情報学部の酒井亨准教授と学生5人は、「花咲くいろは」の舞台を訪れたファンが周辺の散策に使えるマップ作りに乗り出した。12日は初代ラッピング列車の退任式が行われた西岸駅を訪れ、駅から徒歩で行ける飲食店などを調べた。
坂井准教授らは、昨年からアニメを県内の地域活性化に生かす研究に取り組んでいる。今回のマップは「花咲くいろは」の舞台となった金沢市湯涌温泉や西岸駅、のと鉄道本社がある穴水町を対象地域に、飲食店や観光スポットをまとめる。来年1月に完成させ、3地域に配布する。

金大留学生も巡る
金大の留学生18人は12日、穴水町の中心商店街を訪れ、「花咲くいろは」のキャラクターが登場するスマートフォン向け音声観光案内アプリ「花いろ旅あるき」を使って町内を散策した。留学生は穴水のほか「true tears」の舞台となった南砺市なども訪れ、日本のアニメ文化に触れた。