本日の北國新聞朝刊より「不動産会社の名物看板撤去へ 金沢市基準外の25件」

テレビの全国放送などでも取り上げられた「名物看板」が消える。不動産業者が市内に 設置しているもので、市の屋外広告物設置基準に違反していることから、是正指導を受けて今秋までに撤去する。交番越しに「『苗加』を『なえか』と読んだ人、タイホします」などとユニークな文言で人気だったが、他の違反者から言い逃れの引き合いに出されることもあり「退去」を余儀なくされた格好だ。
看板を設置したのはのうか不動産(もりの里2丁目)で、人目を引く楽しい宣伝をした いと2009年1月に設置を開始。金大周辺を中心に2年間で約40基を取り付けた。
苗加充彦社長(43)によると、設置当初から反響は大きく、3年ほど前から東京や仙 台の不動産業者が「参考にさせてほしい」と見学に訪れている。来店客や学生からも「思わず笑ってしまう」と好評という。
しかし、大きいものでは縦横4メートルほどになる看板もあり、現在ある屋上看板や野 立看板、壁面広告30件のうち、25件が設置面積や高さなどで基準を満たしておらず、2年ほど前から撤去かサイズ変更の指導を受けてきた。
市などによると、基準を満たさない屋外広告物は撤去費用が必要なため、新しい看板へ の更新時や老朽化した場合などに改善・撤去するケースが多い。同社でも撤去に多額の費用がかかることから、これまで代替案を検討をしていた。
ただ、他の違反している業者が市の指導に引き合いにするケースがあり、良くも悪くも 目立ってしまったため、昨年末、市に対し、基準を満たさない看板を13年秋までに撤去する計画案を提出した。
苗加社長は「当初は違反していることを知らなかった。今度は基準に合った面白い看板 を考えたい」と話した。
市景観政策課によると市内の屋外広告物のうち、基準に適合しないものが約700件あ る。ただ、改正屋外広告物条例が2009年に施行され、設置基準が厳しくなっており、 中には設置済みのものが違反となる「既存不適格」も含まれる。このため、16年9月末までは経過措置期間として、期間内の補修や更新に合わせて是正すればよい。
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